あかでんと天浜線のエトセトラ。Vol.3よりもう1本。
このシリーズ、ここまであかでんと天浜以外のキャラが遠鉄バス以外登場してなかったのですが、今回は東海道さんが登場。なお、当初配布していた時点では、東海道・新幹線は紙端国体劇場さまのキャラをお借りしていたのですが、現在は彼らも一次でキャラを作りなおしております。

というわけではないのですが、ちょっと修正かけてうちの1次キャラで読めるようにしてあります。
(といっても、彼らの性格は紙端さんとことうちのとこであんまり違ってないんだよなー…特に新幹線)

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「ゆりかもめさんが来たよっ!」


 久しぶりに浜松に顔を出した天浜にそう言われ、東海道は面食らった。
「え、ゆりかもめさんって……」
 東京まで毎日運行している東海道が真っ先に思いつくのは、お台場臨海地区を通る路線・ゆりかもめ。あいつがなぜ、こんな片田舎にやってくるのか。
 だが、そう思っていたのは東海道だけだったらしい。
「おー、ゆりかもめ、今年も来たかー」
 あかでんは、ごくごく普通に話している。その口調に東海道が感じたような違和感はついぞ見られない。
「今年のゆりかもめさんはどう?」
「うんうん、ばっちり」
「よかったなー」
 さっぱりわからない。
「あれ? でも、佐久米駅って工事してなかった?」
(佐久米駅? なんでまたそんなマイナーな駅に……)
 混乱している東海道に思考などあさっての方向で天浜とあかでんは会話を続ける。
「うん、まあ、工事はしてるけど。そこのところはみんなわかってるしね」
「そっかー」
 一人を覗いて和やかに話してるその輪の中に、
「お疲れさまです。なんか楽しそうじゃん」
 やってきたのは遠鉄バス。
「おー、おつかれ。ゆりかもめ、今年も来たって―」
(こ・と・し・も? あいつ、そんなに暇なのか?)
 どうやら、東海道には、思考の根底から疑うという余地はないらしい。
「じゃあ、また見に行くよ、天浜」
「うん、きてきて。できれば僕の路線使ってくるように誘導してくれよ」
「それは難しいなあ」
「えー!」
 あははははは。穏やかな笑い声が、部屋を支配する。
 混乱した結果、仏頂面になった東海道を置いてきぼりにして。
「あ、パンって用意した方がいい?」
「用意してもいいけど、こっちでもちゃんと用意してるから大丈夫だよ」
(パン? あいつ、洋食派だったっけ? っていうか、用意って何だ?)
 東海道の思考は停止寸前であった。
(わからない。わからない! なんであいつが、ゆりかもめが……なんで!)
 しかし、他の皆は普通に話している。これは当たり前の出来事なんだ。
 なんでだ! 普通おかしいだろ。あいつは東京生まれだぞ。
「どした? 東海道さん。さっきからブツブツ言ってるけど……」
 あかでんに呼ばれて、東海道ははっと我に帰った。
「いや、何でもない……けど」
 ここは勇気を持って聞いてみよう。聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥というではないか。
 そう思った東海道は、口を開いた。
「ゆりかもめって……誰?」
 天浜とあかでん、遠鉄バスは顔を見合わせた。ややあって、口を開いたのは天浜だった。
「誰って……ゆりかもめといえば渡り鳥だろう」
「へ? 鳥?」
「他に何があるんだ、国鉄さまよ」


 というわけで、天浜線佐久米駅に渡り鳥のゆりかもめがたくさん飛来しております。餌付け体験や記念撮影もできます。2月ごろまでの期間限定ですので、皆様、天竜浜名湖鉄道をご利用の上、奮ってご参加ください。
 と、天浜さんが申しておりました。

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首都圏の皆様に於かれましては、浜松エリアで「ゆりかもめ」といいますと、半分くらいの人が佐久米駅の渡り鳥を想像いたしますので、お気をつけいただければと思います。少なくともジミヘン聞きながら甘い言葉を囁く黒づくめのイケメンじゃないから!(お前そういう解釈していたのかよ)これりんかいじゃないか濱澤の馬鹿あああああ!!指摘して下さった皆さん有難う御座います。ゆりーはツインテの性別不詳だったね…。
(ちなみに私ジミヘンの彼は結構好みなのですが、サークル開拓できない人なので困っております…)

ちなみに、浜名湖佐久米駅(これが正式名称らしい)にゆりかもめが飛来してくるのは12月~2月だったと記憶しております。その時期は通常30秒停車な佐久米駅も列車によって停車時間が長くなるはず。ここは直ぐ目の前が浜名湖で、その中に東名高速道路が走ってるというスポットなので、ちょっと面白い写真を取るならここで途中下車をするといいかも。